春節の飾り
・金柑の木
広東話の「橘」の発音は「吉」と同じなので、「金柑」と同じ発音の「金吉」と言えば橘が「吉」、金は「財」を意味し、金柑は「吉祥と富をもたらす」という。だから金柑は広東地方一帯で一番よい飾り物である。広東省や香港、広西チワン自治区などでは春節になると、ほとんどの家の入口やベランダに少なくとも二鉢以上の金柑の木が置かれてる。そして木の枝にはご祝儀がくくりつけてある。
金柑の木(左) 赤い燈籠(左)
・赤い燈籠やちょうちん
毎年、春節から旧暦正月十五日の元宵節にかけて「一家団欒」を象徴する赤い灯籠を灯しお祝いの雰囲気を盛り上げる。
・「福」の文字を逆さまに貼る
対聯を貼るとき一緒に部屋のドアや壁に大小様々な「福」の文字を貼る家庭もある。これは昔からの風習である。「福」は「幸せ」や「幸運」という意味があり、「福」の字を逆さまに貼ることで「幸福がすでに来た」、「幸せがすでに来た」ということを表している。
・年画
大晦日の前にどの家でも年画や神さまの絵、対聯を貼る風習がある。年画は年に一度張替られ、1年間飾ってあるので「年画」と呼ばれている。庶民の年画や神さまの絵は俗に「喜画」と呼ばれ、一般的には年画は室内に、神さまの絵は門に飾られ、新しい年の吉祥を祈願し邪気を追い払うとされている。
『ネズミが妻を娶る』と呼ばれる年画は庶民の間でよく知られているものだ。大晦日はネズミが結婚するのに良い日とされている。人間は食べ物をベッドの下や台所に置き、ネズミの新郎に贈り、来年の五穀豊穣をお祈りする。
・対聯(ついれん)
毎年、春節には都市でも農村でも、各家庭では念入りに選んだ赤い春節の対聯を門の両脇に貼り、祝いの雰囲気を出している。対聯は「門符」、「春貼」、「立春の掲示」とも呼ばれていて、春節の伝統的な飾り物である。年の初めに縁起が良い言葉を綺麗な字で書き、壁や門に貼る。きちんと整い、対になっていて簡潔で、精巧な文字で春節を表現し、願いを懸ける。これは中国特有の文学形式である。